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1月2日 現場への愛と探究心

トイレ設置プロジェクトを進行させる。
まず農村開発担当であるインド人:ママに相談しに行く。ママというのはあだ名であり、従兄弟とか甥とかそういった意味だったと思う。
とりあえず、1月6日か7日にカルカッタへ向かいお金を下ろしてくる事を確認し、4日にクライアントを訪問し、事前調査を行う事を決める。
事前調査の内容については今日明日のうちに自分が決める。主に基本情報、トイレに関する情報、費用に関する情報を質問する。
基本情報は、クライアント選出の際に質問した内容を再確認する。主に、家族構成・月収・土地の有無・一日の支出・家畜の有無・職業・教育程度といった項目を質問する。
トイレに関する情報は、トイレ・衛生に関する意識を質問する。石けんや掃除道具を供給等の追加プロジェクトや、意識改善を目的とする第二のプロジェクトにつながる物としたい。
費用に関する情報は、設置費用の何%を自己負担するか、またその資金はどこからどのようにして用意するのか、を質問する。貧困状態にあるクライアントのため、ほぼ全額をこちらが負担する可能性が高いが、可能な限り彼らのアクションを支援するという形を取りたい。
自分の頭の中で英語に訳した質問を、ママがさらに訳す事となる為、前回のインタビューはかなり大変だった。明日は質問をきちんとした文章に直し書き記す作業をする。ママの理解が早くなる。

調査手法の未熟さを感じる。
帰国後直ちに学びたい。経済学、社会学、人類学、それぞれ頭に開発をつける事によって、開発の現場を分析する学問となる。それぞれアプローチは違うが、特に人類学に魅かれる物がある。とはいえ、ほとんど内容を知らない為比較も出来ないが。
自分は現場で走り回る事に快感を感じる。特に学園祭の実行委員をしていた頃それを感じた。頭と体の両方を動かす事を必要とし、問題と肉薄するギリギリの感覚が好きだった。
二年生の春、懇意にしていた教授に連れられバングラデシュへ行った。以来、開発協力・国際協力の現場で働きたいと思うようになった。
三年生の春、紆余曲折の末インドのNGOに研修生として滞在する事となる。正規の職員としてではないが、まさに現場に出れる事を嬉しく思っていた。
研修として、モチベーターと呼ばれる職員と共に現場を歩き、様々な事を目にした。モチベーターとは、NGOが提供するサービスの受取手であるクライアントを直接訪問し、相談や集金・融資を行う職員だ。時折職員から意見を求められる事も有り、まさに問題に肉薄し、頭と体の両方を動かす現場の感覚を味わった。
また、現在行おうとしているトイレのプロジェクト等は、クライアントの選考・資金の調達など全てを自分で企画し、友人と職員の協力のもと行っている。所詮自分は学生であり、プロの体験する現場とは雲泥の差があるだろうが、モチベーターとの研修以上に現場の感覚を味わっている。
しかし、ある時自分の内側からわき上がる物に気づいた。
なんだこの問題は、なんでこいつらこんなに貧しいんだ。なんでこんな事が起こっているんだ、何故だ、何ででなんだ。分析したい、もっと追求したい、文献を読みたい、インタビューをしたい。答えを追求したい。そんな衝動を押さえる事が出来ない。
探究心、と呼べば良いのだろうか。
友人達が進路を院から就職へと変えて行く中、自分は逆に象牙の塔へと戻って行くのかもしれない。
もちろんまだ解らないが。
まだ二ヶ月ある。
by kakasi0907 | 2005-01-03 03:08


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