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1月26日 闇医者とエイズ 中沢新一って誰だ

インドの新聞を読んでいるとエイズに関する記事を良く目にする。
ここ農村部からエイズは遥か遠くの事のように感じるが、記事を読む限りではすぐそこに迫っているようだ。
それにしてもエイズはどのようにして広がって行くのだろうか。
記事によると土地から土地へと移動する労働者が鍵らしい。
そういえば以前州から州へ渡り歩き、祭りの装飾をするパンデルという職業について書いたが、もしパンデルの中にエイズ感染者が存在した場合、広がる可能性は想像しやすいかもしれない。
あまりしっかりとした知識がないが、確かエイズは血液でも感染するはず。
土地から土地へ移動する労働者は貧困層に多い。記事には、医者にかかる費用のない労働者が闇医者に行き、注射針の再利用などから感染するケースが多いと書いてあった。なるほど。

この記事は二つの点において興味を引いた。
一つは貧困層の医療サービスに対するアクセス。
もう一つは日本の開発プロジェクト、特にインフラ整備についてだ。

以前日記で、オフィスの管理をする職員に薬品を分ける事がある、と書いた。
先日再度職員が薬品を求めて自分を訪ねて来たが、薬品が残り少ない事から断らざるを得なかった。
なんともやりきれない気持ちになった。
NGO経営に関わる職員は大卒等比較的裕福な層出身の者が多いが、掃除夫といったオフィスを管理する職員は地元の農村から働きに来ている。それほど裕福ではない。
労働者と闇医者もそうだが、発展途上国の末端における医療に対するアクセスは大きな問題であると思う。
特に貧困層は医療に対するアクセスに重大な障害があるのでは無いだろうか。
正直医学も薬学もよくわからんが、流通の分野でなら関わって行く事ができるかもしれない。医薬品への貧困層のアクセス。イケそう。
ちょっと化学もやっとこうかな。

日本の政府としての国際協力はインフラ整備の分野が多い。開発コンサルタントと呼ばれる人間も、建設系の会社が多いような気がする。理由は知らない。
ここ西ベンガル州では大規模な電力設備の整備が日本の主導で行われた。
確かタイとかでは橋を作ったりしているはず。
技術的な協力、設計とかは日本人がする事になるが、肉体労働は当たり前だが現地の人間が雇われる。
雇用創出は良い事だが、上記の闇医者の問題を考えると少し注意が必要になってくるような気がする。
日本の税金で国際協力を行う以上、国益の事を全く考えないのはなんともすっきりしない。この部分については結論がでない。
ただ、インフラが本当にそこに住む人のためになっているかどうかは、国益の問題とは独立して存在する事だと思う。
ならば、日本が橋を造って、そこの橋を造る労働者を介してエイズが広がってしまったらこれは最悪だ。
開発プロジェクトとしてインフラを建築する以上、そこで働く労働者の医療に対するアクセスも考慮に入れて、プロジェクトを行う必要があるだろう。

そう言う事を午前中思った。

昼、ママ氏に資金を確保した事を知らせに行く。
時間が限られている事から次の行動を確認する。が、ここでママ氏から一言。
「リーダーの許可をとってきてくれ」
トイレを立てる事自体に反対の理由は無いが、職員としての立場上外回りをする際はリーダーの許可が必要だとの事。
なるほど、通常の職務外の所で動いてもらっているのだから当然か。
という訳で俺が許可をもらいに行く事に。

リーダーは忙しいので道で待ち伏せする。歩きながら許可を取ってしまうつもりだ。
すぐにリーダーが通りがかった。俺を見て少し驚いた様子。何でだ?
何故そんなににらんでいるのか、との事。ああ、そうか。確かに恐ろしい顔をしていた。
許可はすぐに出た。いつでもどこでも、ママ氏を連れて行ってかまわないとの事。

ママ氏にその旨を伝え、金曜日の9時半にシッディベリヤのバスストップへ行く事を確認。一つ目の候補となる。ちなみに明日は木曜日なので休日。

午後4時半、いつも通りトイレの現場へ。
実は昨日頭を剃った。もうお坊さんのような状態。
カルカッタの床屋に入ったのだが、短く短くと言っていたらアタッチメントなしでバリカンを使われてしまった。
まぁ髪の毛を洗うのが楽で良いので、それなりに満足してはいる。マッサージもしてもらったし。
が、農村部の人たちには奇異に映るらしく、子供達など俺が近くへ寄ると脱兎のごとく逃げて行く。
いつもはあっちに行ってくれと言ってもつきまとうくせに。

トイレはパイプとタンクがつながれ、内装も整えられ、かなり完成に近づいていた。
あとは屋根とドアをつければ良いだけではないだろうか。
家族が三人居たので名前を確認した。
母:ションダ
三女:ポ(プ)ノティ
四女:ミノティ
との事。ここに書いた以上もう覚えた。

海外では聖書をメモがわりに使うらしい。友人曰く、バイブルはそもそもそう言う
ものとの事。
ある人類学者は研究業績を全て聖書に書き来んでいたらしい。
それに習っている訳ではないが、俺の場合その時読んでいる本にメモを取る事がある。
今日は「チベットのモーツァルト」という本を読んでいたのだが、トイレの様子や工事の進行状況、家族の名前、エイズと医薬品についてなど、本にかき込んだメモを参照にこの日記を書いている。

「チベットのモーツァルト」は中沢新一とか言う人が書いた本だが、さっぱり知らない名前だ。父と母からクリスマスに送られて来た本だが、何故この本を送って来たのかなんの説明も無かった。一体どういう意図で送られて来たのだろうか。
読み終わってから考えよう。
by kakasi0907 | 2005-01-27 05:50


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