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9月1日〜7日

9月1日 5日目
カルカッタ
ビザのレジストレーション。具体的には一体それが何なのかわからないが必要らしい。イギリス人とスペイン人と共にカルカッタの市役所(?)へ。
職員の手際が異常に悪い。信じがたい。何だかよくわからないが、未だかつて見た事がない程遅いスピードで動く。やたらと傲慢だ。書類を投げてよこす。なんだかんだで、えらく時間がかかった。

英会話
徐々に同僚の英語が聞き取れるようになってきた。日常会話っぽい事をかわす事ができる。もっとも簡単な文法で、可能な限り単純に話せば良い。中学以下の英語で大丈夫だ。要は慣れか。度胸があれば慣れすら必要ないかもしれない。同僚(イギリス人二人、NZ人一人、カタルニア人一人)との仲も自然と深まる。

風の唄を聴け
友人から譲り受けたものだ。この一日で読み終えてしまった。感想は、言葉で現すのは困難だ。過去を切り取って文章にしたような、かつて同じ事を経験したような、記憶と文章が同化したような。不思議な印象を受けた。セックスへの流れとその描写が極めてさらりとしている。ダンスダンスダンスでは極めて濃厚であるのに。女性の体の描写は細かすぎる程なのに。様々な料理、冷蔵庫の中の食料、特にトマトソースと乳製品が村上の文章を通すと凄まじくおいしそうなものに感じる。

愛と幻想のファシズム
1996年の夏は俺の中でまだ終わっていない。同じ村上なのにこの差はなんだ。部屋で一人で読むと、若干心が荒む。あとで読む。

恐怖
恐怖とは一体なんだろうか。恐い話を聴いて怖がる。怖い要素の集合?何故か夜部屋に一人でいるのが怖い。日本を立つ前にホラーゲームをやりすぎたせいか?窓を開けっ放しで寝るのが怖い。ずっと考えてしまう。ただ、だんだんと面倒臭くなってきた。出てきたら怖がれば良い。出てくる前に怖がるのはなんか損だ。


9月2日 6日目
時間
ダイヤモンドハーバーというところに行く。ガンジス川の中流に大きくカーブを描いている箇所がある。そこはまるで湾のようになっており、岸が遥か向こうに見えない。ガンジスの流れはゆるやかで、インド人の時に対する態度を象徴しているかのようだ。30分待ってくれと言われた。すると、3時間待たされた。イギリス人が、これがインドの30分なんだよと言った。
この時間の流れに慣れてしまったら、俺はいったいどうなってしまうのだろうか。果たして日本で普通に生きる事ができるのか?

辛さ
インドの田舎でレストランに入る。料理が辛かった。いつもNGOで食べさせてもらっている料理は、辛さを押さえたものであるという事がわかった。

アニメ映画
同僚のイギリス人は、黒沢アキラ、羅生門、七人の侍、千と千尋の神隠し、ファイナルファンタジー10が好きだと言う。えらく困ったイギリス人もいたもんだ。とても趣味が合う。やたらと俺を気遣ってくれる。でも胸にはグロいタトゥーがある。

電話
会室に電話をかける。みんな勧誘に出払っているらしい。明日またかけることにする。


9月3日 7日目
プロジェクト
ダイヤモンドハーバー市場衛生環境改善計画。リーダーが普通に俺ら学生に意見を求める。いいのかな?VSSUと市場のショップキーパーと共同で、市場の衛生管理を組織化する。通常は政府がするべき仕事だが、政府は金が出せないと言う。スイーパーを雇い、VSSUとショップキーパーが共同でお金を払う。ショップキーパーの啓蒙を同時に行い、最終的にショップキーパーに管理させる事を目的とする。インド人のレイジーさ、給料配布の難しさ、カースト制度など様々な問題が絡む。意見を求められたが、うまく言えない。ニュージーランド人がガンガン言っていた。少し焦る。すぐに心を落ち着ける。この一ヶ月でまず環境と仕事に慣れる。それが目的だ。目と姿勢と態度で気合いだけは伝えておこう。

好き
現地の子供に好きと言われる。好きと言われると困る。本当に困る。難しい。あまり慣れていない。どうしたら良いかわからない。何故か避けてしまう。困ったなぁ。

石けん
風呂場に石けんをおきっぱなしにしていたら、ここは公共の場だからといわれた。怒っていたのか、気遣ってくれていたのか。


9月4日 8日目
言語
ベンガル語をいくつか覚える。極めて限られた地域(東インドとバングラデシュ)でしか使えないが、まぁ良いだろう。
How are you?→AAPNI KAMON ACHHEN(アップニ カモナ アチェン) 
Fine.→BHALO ACHHI(バロ アチ)
とか。だんだんと。英語が簡単に思えてしまう今日この頃。

風邪
微妙に風邪を引いたような感じがある。部屋に巨大な扇風機がある。天井についている。凄まじい暑さから、一晩中止める訳には行かない。布団をかぶると暑いので、Tシャツとパンツ一丁で風を受け止める。そして風邪を引く。どうしようもない。

旅行
研修生で9月20日から旅行に行く予定らしい。三週間の行程だ西へ行くらしい。砂漠も見る事ができる。うむ、すばらしい。

ネット
スペイン人のパソコンでインターネットに接続する。俺のパソコンから接続したいが、パスワードと方法がわからない。幸いにも彼のパソコンは日本語を表示できた。アイセック日本の担当者にメールを送り、他のメールをチェックする。
メッセンジャーに接続すると、友人のHが話しかけてきた。相変わらず元気そうだ。うんよかったよかった。少し元気が出てきた。ハッピーだ。

ゲーム
イギリス人がグラディウスにはまる。でもあんまりうまくない。すぐに死ぬので、見ていて少しおもしろい。

甘い
辛いものはとことん辛く、甘いものはとことん甘い。それがインドの食べ物。辛いものはまぁ良い。甘いものが甘すぎる。食えねぇ。いや、食えない事はないのだが量が食えない。しかし、好意で出してくれるものを残すのは俺のポリシーに反する。必死で食う。甘いラーメンはもう十分だ。おかわりはいらない。
そんなかなしそうな顔をしないでくれ。

9月5日 9日目
延期
今日は市場に行く予定だったが、労働者ストライキのために電車が止まってしまった。明日に延期。せっかく早く起きたのに。出発の日にストライキが起こるとやばいな。飛行機に乗り遅れるとかシャレにならん。1日前、いや2日か3日前に出るべきだ。カルカッタでのホテルはどうしようか。

部屋
日本人が気になるらしく、部屋にいろんな人がやってくる。今風邪気味で寝てる事が多いので、たまに困る。とにかくなかなか出て行かない。まぁ勝手な事を行っているのは承知だが、けっこう困る。部屋を借りている手前、強くは言えないし、英語もあまり通じない事も多い。しょうがないっちゃしょうがないんだが、いろいろ聴かれて結構困る。集中して何かをやりたい事もある。どうすりゃいいんだほんとに。

カードゲーム
イギリス人の男女、カタルニア人の男、ニュージーランド人の女とトランプに興じる。コンチネンタル、あるいはパワーオブスペイン。複数回の勝負を原則とし、合計点数の少なさを競う。ゲームを共に行う事は関係を深めるのに非常に役立つ。残念ながら俺は弱いが。


インドの虫はでかい。ゴキブリをイギリス人とスペイン人の部屋で見た。バングラデシュで見たものよりも黒くてでかい。正直気持ち悪かった。次に廊下を歩く巨大な昆虫に出くわした。遠目で俺の足くらいある。えらくゆっくりと歩くので危険なものではないと判断し、懐中電灯を持って観察に行く。巨大なタガメだった。なぜ陸に上がってしまったのかわからないが、緩慢な動きの理由も同時に解決した。日本では久しく見ない昆虫だ。

老化
インド出立前、実家に帰った。飼い犬が老化してた。目が見えなくなっていた。本屋で立ち読みをした本に、信じていたものが崩れ去り、財産を全て失った男が失明し急激に老化していくシーンがあった。そのシーンは、彼の取り巻きが彼の持ち物をはぎ取ろうと飛びかかって行く様で締めくくられていた。俺はかつて、誰か、例えば父や母や友達をがっかりさせるのが好きだった。最低の嗜好だ。急激な老化が落胆の極地であるような気がして、最初そのシーンを見て興奮を覚えた。しかしすぐに吐き気をともなう嫌悪感が俺を襲った。俺は父や母や俺の大切な人をこんな風にしたくない。絶対にしたくない。そして自分もなりたくない。少しでも興奮を覚えてしまった自分自身に凄まじく嫌悪感を覚えた。汚いもののように思えた。インドに行く直前の精神不安定な時期に重なり、俺は大きなショックを受けた。
インドに来て以来、段々と考え方が変わりつつある。そんな落胆など屁で笑うくらいの窮状にある人たちが、このインドの農村には沢山存在していて、みんなたくましく生きているからかもしれない。しかし、それとは別に次の二つの事を押さえる必要がある。
老化して行くのはどうしようもない事だ。避けられない運命だ。しかし、父や母や大切な人を落胆の中で老化させる訳には、絶対に行かない。肝に銘じなければならない。
同時に、取り巻きの汚さ。このような人のつながりの中に生きるべきではない。無償でつきあってくれる友達を大切に、誠実につきあって行かなければならない。

9月6日 10日目
誕生日前
明日は誕生日だが、いったいどのような事がおこるのであろうか。

地震
三河地方で地震が起こった。震度4の地震だ。小さいとは言えないが、それほど大きくはない。被害は少なかった。前々から予想されていた事だが、東海地方を中心に近く大地震が起こる可能性が高い。父と母、祖父母が住んでいる地方のため正直恐ろしい。


部屋を暗くすると、何かお化けがでそうな気がする。目をつぶると、日本にいた頃に会室で皆とプレイしたホラーゲームのシーンが浮かんでくる。仮面の女。クリスマスイブ。つきこもり。ホラーゲームは一種の快感をもたらす。空想の物事、あるいは自分に起こった事ではない物事、さらには自分には起こりえないという事をどこかで確信しているがもしかすると起きるのではないかと妄想する物事を怖がるという事は、冬の部屋にストーブを利かせてアイスを口にするようなものなのかもしれない。この場合、怖がるのは楽しい。一種の娯楽だ。しかし、娯楽によって睡眠時間が削られてしまうのはばからしい。程々にしなければ。

質問
ニュージーランド人にプロジェクトについての質問をしてみる。事前にメモで整理してから望んだ。ショップキーパーをいかにモチベートするかが、このプロジェクトの持続性を語る上で非常に重要に感じたのだが、方法の記述が不十分な気がしたのだ。少し勘違いがあったようで、違う事を説明される。あまりわかっていなかったので、それはそれで収穫があった。次にどこにそれが書いてあるのかを聴いてみる。いくつか示された。一応書いてある。正直それほど会話がうまく行ったとは思わないが、何度かこういった事を重ねて行くうちにうまくなって行くだろうと思った。質問してよかった。

ガンジー
映画を見る。題名はガンジーだ。どこまで脚色あるのかわからないが、偉大な人物であるという事はわかった。彼は暗殺される寸前にパキスタンへ行こうとしていたが、もしたどり着いていたら今のインドとパキスタンの現状も変化していたのだろうか。インド周辺の二国すなわちバングラデシュとパキスタン。共にイスラム国だが、両国とインドとの関係がよくわかった。血塗られた歴史が隠されていた。


砂漠の旅にビビる。何故だろうか?なにしろレジャーだから。あんまり快適でないような気がする。体中がかゆいのもいやだし。シャワーが無い生活に耐えられないかもしれない。トイレとかはどんな感じなんだろう。ハンドウォッシュくらいなら別に良いけど。手が洗えないのはちょっとなぁ。喘息も正直心配だ。うーむ。そりゃ、すぐに日本に帰る事ができるなら三週間くらい我慢するさ。でも俺はインドのロキカンタブルに帰らなきゃ行けないんだよ。一体いつになったら俺は気を抜く事ができるんだ。うーん。しかし、間違いなく一生今しかできない体験となるだろう。どうしよう。
ヒマラヤにも行くらしい。こっちの方が喘息的にはヤバいのではないだろうか。うぅむ。どうしよう。親に聴くとか嘘をついて返事を二三日延ばしたけど、どうしよう。うーん。会室に電話しいてから気分で決めるか。


9月7日 11日目
誕生日
今日は誕生日だ。俺の。朝飯を食べに行くと、同僚がプレゼントをくれた。サンダルとインド全図だ。嬉しい。次はスペイン人の誕生日だ。セプテンバーイレブン。

電話
親と会室に電話をかける。親が薬各種を送ってくれるらしい。助かる。なにしろ体中が痒いからだ。垢擦りもあるらしい。すばらしい。本は国際便の様子を見てから送るらしい。懸命だ。なんの本にしようか。
会室。沢山の後輩、友人と話した。心休まる一時だった。今日はレジ日らしい。レンゲは給料の未払いを気にしているらしい。

マイペース
マイペースに行きたい。とにかくマイペースだ。それがこのインドでは最も重要ではないか。俺の好きなようにやろう。最低限押さえる部分だけ押さえておけば良い。仕事をしっかりやる事。同僚との交流を稀薄にしすぎない事。資源を使いすぎない事。この三つを守れば、良し。マイペース宣言。一人でいても誰も心配しないような、黙々とパソコンを撃っていても心配されないような、黙っていてもそれほど心配されないような、それでいて肝心なところには必ずいるような、そんなキャラ。マイペース宣言。子供に好かれようが、インド人が部屋に居座ろうが、同僚が見つめようがとにかくマイペース宣言。俺の一番良いペースでやる。絶対にやる。それが最高。インドで学んだ事だ。その為には本とパソコンが重要だ。沈黙には本を、仕事にはパソコンを。

村上
村上春樹と村上龍について。二人とも日本ではあまりにも有名な作家だ。ただ名字が同じというだけの共通点しか持たないが、不思議と関連性を感じてしまう。何故だろう。違いは簡単に書ける。文。村上龍は、人間の生理描写がえげつない。セックス、女性器、嘔吐、発狂、生理、排泄、キス、病気、全て。棍棒に鋭い鉄条網を巻き付けて殴っている感じ。

見知らぬ人
夜、突然職員が一人部屋に泊めてくれと言ってきた。正直嫌だが、日本人的精神から泊めざるを得ない状況に。インド人と同じ部屋で過ごす初めての夜。
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by kakasi0907 | 2004-09-07 03:08