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2月5日 シッディベリヤにて

朝9時半、予定通りシッディベリヤへ。
土地、費用を確認し施工をいつでも開始出来るところまで持って行く事が目的。
費用を確認すべくまずは組合の元締の所へ行くが、不在。少しすれば帰って来ると言う。先に土地を確認する事にする。
二つの候補地が有った。どちらの土地も個人所有の物で、組合の呼びかけに応じて提供される事になったとの事。
組合員から、候補地の選別を巡ってショップキーパーがまっぷたつに別れ対立していると言う事を聞く。これは不味い。自分たちが間に入る必要がある。
候補地はそれぞれ空き地に隣接しているが、どうやらトイレ予定地近辺に家を建てたいと思っている人が多く存在するらしい。トイレの近くでは汚いという事だろうか。
以前、家の中にトイレを設置したくないという村人に会った事が有る。邪気が入ってくるから、というような理由だった。今回は少し違うか。
土地を検分してみると、一方の土地が斜面に面し、費用が多くかかってしまう事が解った。もう一方の土地を優先する事をママ氏と決め、斜面に面した土地に建てる事を主張するショップキーパーを説得する作業に入る。
店と家を一つ一つ廻り、一から説明する地道な作業となった。
土地に関して意見が別れたが、そもそも公衆トイレを建設する事にあまり乗り気でない住人も存在した。彼らも同時に訪問し、一人一人説得する。
基本的に説得の対象は、この市場の有力者であるため、大きな家や店が多い。
また、公衆便所設置に積極的な者は若い層に多く、あまり乗り気でない者は年配層に多かった。なかなか興味深い。

基本的に説得は、トイレが必要な理由・費用の七割をこちらが負担する事・一方の土地が斜面に面しているという事、の3つを説明するだけで十分だった。
自分はベンガル語が喋れないため、細かい部分はママ氏がうまく説明してくれた。ベンガル人はすぐにキレる。言い合いになる事が多かった。そして一度大声があがると、黒山の人だかりになる。もし俺一人でやったら一つトイレを作るのに5年はかかりそう。言葉を覚えて、信頼を得て云々。
説得における自分の役目は、上の3つを自分の言葉でキッチリと説明する事と、座ってチャーイ、飲んでティガチェ(理解した)、話してノモシカール(あなたを尊敬します)、最後にOKと言う事だけだった。ママ氏曰く、俺が会話に参加すると説得がしやすくなるとの事だったので、自分の考えだけは全身を使ってきっぱり述べた。外国人が言うとインパクトがあるのだろうか。ごねる住人も最後には俺の身振り手振りに合わせて体を揺らしていた。
ほぼ全員の説得を終えた頃に元締が帰って来た。
元締に住民の説得を終えた事を告げると、ならばもう問題は無い、との事。
早ければ明後日にも施工を開始出来ると言う。おお、いい感じだ。

住民からの資金徴収については、この地域でVSSU(ウチのNGO)からの融資・返済の窓口となっている職員が集金してくれる事になった。
ある意味土地よりも重要な部分なので、慎重に行わなければならない。プロに任せるのが無難だろう。

トイレの形式は男女に別れた物。学校に女子トイレが無い事の問題を知った時から、次に作るトイレは絶対に男女別仕様にする事を決めていたが、自分が主張するまでもなくマーケットの若い層からの意見で男女別に別れたトイレとなった。
できれば身体障害者に優しい物を、とか思っていたが、さすがにそこまでは無理だった。配慮に技術が着いて行かない。

二つ目のトイレ設置が始まる。
一つ目と比べていきなり規模が大きくなった。一対何人の人が使うのだろうか。
マーケットに着いたとき、ちょうど道ばたで小便をしている住人を見た。
やはり公衆トイレは必要だと思った。

明日母と妹がやってくる。一日で何を見せる事が出来るだろうか。
いや、それよりも空港での待ち合わせがうまく行くかどうかが心配だ。
俺はインド滞在一日目、本当にひどい目にあった。迎えが来なかったのだ。
あれはあれで面白かったが、ちょっと精神的にキツすぎる。
なにごともなく、うまく行くといいのだけど。
by kakasi0907 | 2005-02-06 02:10


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